和製ポルチーニ!都会の緑地にいるヤマドリタケモドキに会いに行く☆きのこ観察に出かけよう☆

こんにちは。きのこのかわいさ知らしめたい!ちょこすき~☆です。

 

梅雨が明けたら夏のレジャーを楽しんでいる方も多いのでは?でも人が多い所は楽しいけど疲れてしまいますよね。そんなあなたにきのこ観察をおすすめします。

 

今日は和製ポルチーニ・ヤマドリタケモドキに会いに行きましょう。

 

ヤマドリタケモドキってどんなきのこ?

柄の網目模様が特徴的
ヤマドリタケモドキは以下の特徴を持っています
  • 傘は6~20cm
  • 傘の表面は暗褐色~薄褐色
  • 傘はややフェルト状
  • 傘は湿るとやや粘性がある
  • 管孔は若いうちは表面が白色の菌糸に覆われる
  • 管孔は白色のち黄色~オリーブ色
  • 柄は長さ10~15cm
  • 柄の全面に網目模様がある
  • 肉は白色
  • 変色性はない
管孔とは、傘裏のスポンジ状の部分のことを言います。ヒダではなく管孔があるきのこのグループを「イグチ」と呼びます。
 
ヤマドリタケモドキの傘の色合いはかなり個体差があり、雨で色が抜けることもあるので、なかなか図鑑と同じようなものに出会うのは難しいかもしれません。安易にヤマドリタケモドキと判断せずに詳しい人に教えてもらいましょう。
 
現在ヤマドリタケモドキと呼ばれているものの中には5種類くらいが混在しており、上記の特徴とは異なる見た目のものもあります。やがて分類が進めばそれぞれに名前が付くと思いますが、ここでは広義のヤマドリタケモドキ全般について紹介していきます。

 

ヤマドリタケモドキの名前の由来

ヤマドリタケに似ているのでヤマドリタケモドキと名前がついています。ヤマドリタケとは鳥の「山鳥」の色に似ているため付いた名です。

 

モドキとかきのこの名前はまぎらわしい

ヤマドリタケとヤマドリタケモドキの和名にはややこしい変遷があります。

<以下簡略化しているけどとってもややこしいので難しい話興味ないって人は読み飛ばしちゃってね!>

日本で平地にたくさん生えているヤマドリタケモドキには、はじめ『ヤマドリタケBoletus edulis』として和名と学名が付けられました。

ところが、このきのこは海外で報告されている『ヤマドリタケBoletus edulis』とは別のきのこであることがわかりました。『Boletus reticulatus』であることが発覚!どうする?

そこで学名だけを付け替えれば簡単だったのですが、日本には『Boletus edulis』も高地に自生していることがわかったのです。こちらの高地のきのこに学名と和名セットで『ヤマドリタケBoletus edulis』を与えることになります。

じゃあたくさん生えているこっちのきのこはどうするの?ってことで、新しい和名が必要になったのです。そして平地に生えているきのこが『ヤマドリタケモドキBoletus reticulatus』となったのです。

……ややこしい!!!

 

ヤマドリタケモドキはいつ・どこで会えるの?

割と群生して生える

ヤマドリタケモドキは梅雨~秋にかけて、広葉樹林やアカマツの混成林に生えます。クヌギやコナラやカシ類などの根元でよく見かけます。上の写真に写っている落ち葉から、このヤマドリタケモドキはシラカシの樹下に生えていたことがわかりますね。

ちなみに、とっても成長の早いきのこですので2~3日で成長してしまいます。私は平日仕事のため週末しかきのこ観察に出かけられないので、タイミングを逃して涙を飲むことがしょっちゅうあります。カビだらけの残骸しかないってこともザラ。

また、虫が大変入りやすいので中がスカスカになっていることもよくあります。この写真も、とてもきれいに見えるのに虫食いで中が空洞でした。柄をつまむとペコっとへこむので採らなくても虫食いがわかるんです。

 

和製ポルチーニ

和製ポルチーニ

ヤマドリタケは海外でポルチーニと呼ばれているきのこです。ヤマドリタケモドキもポルチーニのなかまとして知られており、食用きのことして利用されています。ポルチーニのなかまとしては、ヤマドリタケ・ヤマドリタケモドキ・ススケヤマドリタケ・ムラサキヤマドリタケがあります。

(注:ムラサキヤマドリタケは厳密にいうとポルチーニとは属が異なりますが、食材としてのポルチーニの一種とされています)

 

日本ではヤマドリタケは標高の高い場所にしかないため、低地にたくさん生えるヤマドリタケモドキの方が身近です。きのこ好きの間では和製ポルチーニとして愛されているきのこです。

ヤマドリタケモドキはたくさん生えるのに、なぜ、メジャーなきのこにならなかったのでしょうか?

それは、ポルチーニ類を調理したことがある方ならわかるかもしれません。ポルチーニ類は和食にあまり馴染まないのです。醤油味よりクリームやバターがマスト。卵料理とも合いますが、やはり洋風の味付けの方がしっくり来ます。

可食であることと、食材として有効利用されることは、イコールではないのだなと実感します。それぞれの食文化に合った食材が選ばれてきたのですね。

 

よく似た別のきのこに気を付けて

きのこには不明種が多い

ヤマドリタケモドキなどの傘裏がスポンジ状の管孔をもつイグチ類は、たくさんの種類がありまだ学名すらない不明種がたくさんあります。そのため、似たきのこが非常に多いので注意が必要です。
その中には毒きのこもたくさんあります。

安易に採取して食べてみることは絶対にやめましょう!

 

間違われやすいコガネヤマドリ

この写真は非常によく間違われやすいコガネヤマドリです。私からすると全然似ていないのですが、これをヤマドリタケモドキと似ているなと思ってしまった人!採取しようなんて思わないでね!!スキルがまだまだ足りませんよ!

 

昔はイグチに毒なしなんて言われていましたが、ひとかけら食べただけでも中毒したり、致死性の毒があるイグチもあります。それから、毒はなくても苦みが非常に強いものなど、食べてしまったらダメージを受けるきのこがたくさんあります。

安易に採取して食べてみることは絶対にやめましょう!

大事なことなので2回言いました!!

 

どうしても採取して食べてみたい方は専門家や詳しい人と一緒に探しに行きましょう。きのこ観察会などに参加すると、見分け方など丁寧に教えてもらえると思いますよ!

 

おわりに・身近な場所の方がよく見かける

ヤマドリタケモドキは実は都市部に多いきのこです。公園や宅地のちょっとした緑地に生えていることがよくあります。結構大型な割に色合いが地味なので、目立たないのだと思います。成長も早いきのこですから、人知れず生えて朽ちていっているのでしょう。

ちょっとした緑地に生えている

あまり下草が生えていない場所で雑木林の残された開発地のわきなどがねらい目かもしれません。ただし、観察の際は踏み入れてもよい場所かよく確認してくださいね。他人様の土地の場合、不法侵入になりますので注意してください。

不法侵入、ダメ、ゼッタイ。

ちなみに、公園は採取禁止のことがほとんどなので、見つけても採らずにそっとしておいてくださいね。みんなが観察できるように残しておいてください。

 

きのこのかわいさ知らしめたい!きのこってかわいい。きのこってふしぎ。きのこっておもしろい。みなさんもぽってりかわいいヤマドリタケモドキに会えるといいですね。

 

 

ポルチーニの知識をつけたらこちらのクイズにも挑戦!

www.kanto-kinoko.com