【きのこ回文】ダイダイガサ

始めにそのきのこがあった。
そのきのこは真実であり、真実はそのきのこであった。
おお、愚かな人間どもよ。
その名を口にするのも畏れ多い、そのお方の前にひざまずくが良い。
世界に存在するあらゆる生物の頂点に君臨する王の、あまりにも眩しいその玉座の前に。
D・D・G!
D・D・G!
あくまで神々しい白衣に映える多数のオレンジの房飾り。
優美かつ大胆な曲線のシルエットは森の中で異彩を放ち、容赦無く愚民を圧倒する。
ああそのお方には、きのこ界のベルゼバブとして多くの菌類の子実体を蝕むキノコバエも手を出せぬというのか。
クトゥルフの邪悪な神話にその姿を描写されたとでもいうようなあのトビムシの群れすらも。
かくしてそのお姿は高貴であるが故に高貴で在り続けるのであった。
D・D・G!
さあ今こそあがめよ!
そしてその徳にあやかるが良い。
そのお方と一つの強固な絆を結ぶ、古の呪文を唱えるのだ。
この回文を!

 

ダイダイガサが偉大だ。

 

(だいだいがさがいだいだ)

 

そのうるわしき御尊顔に謁見できただけでも僥倖であろう。

 

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ダイダイガサ