関東きのこの会、丹波山倶楽部さんのまいたけオーナーになりました【原木舞茸栽培】

2021年5月、関東きのこの会は山梨県の農事組合法人『丹波山倶楽部(たばやまくらぶ)』さんが毎年募集されているまいたけオーナー制度に申し込みました。

これから3年間、原木舞茸の栽培方法や管理、収穫の様子、9月下旬に開催予定のイベント『舞茸祭』などを追いかけていきたいと思います!

先日、さっそくオーナー畑に原木を伏せ込む作業がありましたので、ライターの露木ときのこ料理研究家のまんぼママが会を代表して行ってまいりました。

 

丹波山倶楽部さんについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

www.kanto-kinoko.com

 

 

まいたけオーナー制度とは

原木まいたけ

まいたけオーナー制度は、山梨県丹波山村特産の原木舞茸のオーナーになり、申し込みから3年間原木から発生した舞茸を受け取れる制度です。

 

まいたけオーナー制度の概要

契約の単位 約1㎡に舞茸の菌糸が回った原木を15本
価格 22,000円/3年間(契約時に一括払い)
受付時期 2021年は5月末日まででした
伏込時期 6月上旬
収穫時期 9月下旬~10月上旬
その他の
オーナー特典
  • 毎年9月下旬に開催される『舞茸祭』に参加すると、3千円相当の丹波山村特産品が貰える
  • 丹波山倶楽部公式通販サイトで割引が効く

 

基本的に、伏せ込みと収穫以外の日ごろの作業は丹波山倶楽部さんが対応してくれます。

また、原木舞茸の収穫は原則としてオーナーが行いますが、その時にお伺い出来ない場合は丹波山倶楽部さんが代行で作業してくれて、着払いで送ってもらう事も可能です。

この『行けない時はそれでOK』という気軽さがありがたいです。

まいたけオーナーになる料金22,000円を高いとみるか、安いとみるかは人それぞれだと思います。

ただ、珍しい原木舞茸を3年間受け取れることと、伏せ込み作業や収穫作業を体験できること。

また作業前に丹波山倶楽部さんから原木舞茸についての講義を受けられたり、いろいろなお話を聞けることを考えると、私は22,000円よりよっぽど価値があると感じました。

 

舞茸原木の伏せ込み作業に行ってきました

6月13日の日曜日、ライターの露木ときのこ料理研究家のまんぼママが舞茸原木の伏せ込み作業に参加してきました。

当日は雨が降ったりやんだりの天気でしたが、何とか作業が終わるまでもってくれて良かったです。

ばっちり写真を撮ってきたので、伏せ込みの工程を紹介いたします。

 

  1. 伏せ込み場所に短木が完全に埋まる深さの穴を掘る

    原木舞茸の伏せ込み作業

    丹波山倶楽部さんが事前に掘ってくれていました。
  2. 栽培袋から取り出した原木を15本並べる

    原木を15本並べる

    原木同士をくっつけて並べることで、大きい舞茸が育ちやすくなります。
    袋内に残った液体も余すことなく振りかけました。
  3. 土を掛ける

    原木舞茸の伏せ込み作業

    原木と原木の隙間にもしっかり土を入れていきます。
  4. 落ち葉を掛ける 

    原木舞茸の伏せ込み作業

    落ち葉をかけておくことで保湿や遮光の効果があります。

 

最後に木槌で『関東きのこの会』の札をしっかり打ち込んで伏せ込み完了です!

原木舞茸のオーナー制度

 

舞茸菌、元気に育てよ~。

尚、立札右下のモザイク部分には携帯番号がメモしてあります。

原木舞茸が生えてきたら、圃場からすぐにオーナーに連絡を入れられるようにするためです。

舞茸の成長は早いのでどうしても4日前などのぎりぎりの連絡になってしまうらしく、収穫日にうまく都合を合わせられるかは分かりません。

ただ、その時は丹波山倶楽部さんが代行して収穫してくれるので、行けなくても問題なしです。

 

原木舞茸講義とお弁当

伏せ込み作業の前には、丹波山倶楽部 代表理事の青柳雄大さんによる『原木舞茸講義』がありました。

丹波山倶楽部 代表理事の青柳雄大さんによる『原木舞茸講義』

丹波山倶楽部 代表理事の青柳雄大さん

 

『オーナーさんには全部教えます!』と、普通だったらなかなか教えてもらえないような裏話もあったのでとても面白かったです。

せっかくなので、ここで少し表話だけ紹介させていただきます。

 

原木舞茸の生産量について

丹波山倶楽部さん調べによると、日本全国で栽培されている原木舞茸の生産量は約20トンだそうです。

丹波山倶楽部さんの年間生産量は約2トンですので、全国の1/10の量を担っていることになります。

おそらく原木舞茸の生産団体としては日本一の生産量では無いかという事でした。

 

原木舞茸の種菌は1種類ではない

今年はさまざまなメーカーから全部で7種類の種菌を取り寄せて植菌したそうです。

メーカーの営業さんからは、『こんなにたくさんの種類を使っているところは無いですよ』と言われたとか。

でも種菌によって特徴が異なるそうなので、いろいろ試したくなる気持ち、分かります。

 

原木舞茸の栽培手順

原木舞茸の栽培は、11~12月に村有林のミズナラを伐採するところから始まります。

伐採したミズナラは施設に運ばれ20cm程度の短木にカット。

給水などの工程を踏んで舞茸栽培に向く原木に仕上げていきます。

その後、原木は栽培袋に入れられて常圧釜で殺菌し、一度無菌状態になります。

しっかり冷ましたらいよいよ舞茸菌の植菌です。

ここで雑菌が入ると舞茸菌がやられてしまうので、植菌作業は無菌室で白衣を着て行われます。

舞茸菌のついた原木は培養室に置かれ、じっくり時間をかけて菌糸を蔓延させていきます。

培養室の舞茸原木

培養室の原木


6月頃、いよいよ今回作業体験させていただいた伏せ込みです。

栽培袋から取り出した原木を畑の中に埋め、保湿のために上に落ち葉をかけておきます。

うまく育てば10~11月頃、原木舞茸が発生します。

 

伐採からカウントすると、最初に収穫できるまでおよそ1年かかるんですね!

また、原木椎茸栽培では行われない殺菌工程や施設内での培養工程などがあり、舞茸菌の方がデリケートなんだということが良くわかりました。

 

仕事用の原木は1か所に300本埋める

オーナーは1契約で15本の原木を土中に埋めましたが、丹波山倶楽部さんの仕事用の圃場では、1か所につき300本くらいの原木を埋めているそう。

ちなみに少し間隔をあけて原木を埋めると小さめの舞茸がたくさん発生し、ぎっちりくっつけて埋めると、まとまって大きい舞茸が採れるとのことでした。

丹波山倶楽部さんは後者の大きい舞茸を目指しています。

スーパーで売られている菌床栽培の舞茸はだいたい一株500g前後が多いですが、丹波山倶楽部さんの原木舞茸は一株で2.4Kgもあったそうです。

 

圃場に掛ける落ち葉は11月に集めておく

原木の上に掛けた落ち葉は、昨年の11月に丹波山倶楽部さんが集めておいてくれたものを使っています。

春頃には落ち葉は様々なものに分解されてぐずぐずになってしまっているため、昨年の物を使う必要があるのだそうです。

状態の良い落ち葉

状態の良い落ち葉

 

舞茸は心材腐朽菌

木の断面をよく見ると2層に分かれていることが分かります。

原木

 

真ん中の心材と、その周囲を囲む辺材です。

舞茸は主に心材を分解する心材腐朽菌だそうです。

丹波山村のミズナラは心材が多いので、原木舞茸にあっているのではないかという事でした。

ちなみに椎茸は辺材を分解する辺材腐朽菌。

そう考えると、もしかして1本の原木で両方生やすことも可能なのかも?

 

舞茸は原木から直接生えるわけでは無い

椎茸は原木から直接ニョキっと生えますが、原木舞茸は違うそうです。

土中に埋めた原木から舞茸の菌糸が地表に向かって伸び、そこから舞茸が発生します。

これが見せていただいた舞茸の菌糸。

舞茸の菌糸

 

思った以上に太くて丈夫でした!

 

作業後の楽しみ!原木舞茸とジビエを使ったお昼ごはん

原木舞茸とジビエの汁物

原木舞茸の伏せ込み作業後に、原木舞茸とジビエを使ったお弁当と汁物を頂きました。

原木舞茸は昨年収穫したものを冷凍保存して使っているそうです。

ジビエも食べやすく大満足のお昼ご飯でした。

特に舞茸のマリネがめっちゃ美味しかった!

これはまんぼママに再現してもらわねば~。

 

ということで、舞茸原木の伏せ込み作業を堪能してきました!

せっかくまいたけオーナーになったことだし、これから原木舞茸の成長や収穫をしっかりと楽しんでいきたいと思います。

次は9月の舞茸祭の記事が書けるかな?!