”きのこの基本”をイラストで解説!きのこは菌類です

日々私たちが何気なく口にしているきのこについて、皆さんはどのくらい知っていますか?

 

きのことは?

 

 今回は『きのこは生物学的に何者なのか』ということを、分かりやすいイラストを交えながら解説いたします。

”きのこの基本”を通して、よりその魅力に興味を持っていただけたら幸いです。

※記事に登場するイラストは、きのこ女子のコイケハルカさんに描いていただきました。

 

 

きのこは菌類です

『きのこは野菜と一緒に売っているから、植物の一種だろう』

『いやいや、きのこってなんか不思議な生き物みたいだし、実は動物の仲間なのでは?』

・・・と、そんな風に考えている方もいらっしゃるかもしれません。

いえ、きのこは植物でも動物でもありません。

きのこは、”菌類”(きんるい)というグループに属する生物です。

 

きのこは菌類

 

その昔、生物を『動物界』と『植物界』だけに分類していた時代がありました。

その頃は、自分で動かないきのこは植物の仲間だと考えられ、光合成が出来ない『下等植物』として分類されていたんです。

もちろん今は、もっと多様な生物群があることが分かり、きのこは菌界(菌類)という独立したグループに分類されています。

 

菌界・動物界・植物界

 

眼で見えるサイズの子実体(しじつたい)を作る菌類がきのこ

菌類と一口にいってもたくさんの種類がありますが、その中でもある特定の器官が目で見えるほど大きくなる種類を特別に『きのこ』に分類しています。

その器官とは・・・子実体(しじつたい)、いわゆる私たちが『きのこ』と呼んでいる部分です。

 

子実体を作るきのこ

 

きのこの菌糸体(きんしたい)は、木材の中などでぐんぐん糸状の菌糸(きんし)を伸ばして成長していきます。

そして、ある時子孫を残すためにニョキッと子実体(きのこ)を生やすのです。 

カビなどにも胞子を飛ばすために子実体を作るものがいますが、それが肉眼で確認できなかったために、きのこに分類されませんでした。

つまり、根本的にはきのことカビは仲間だと言えます。

 

きのこと植物は栄養の摂り方が違う

きのこは『下等植物』なんかでは無いという、決定的な証拠があります。

菌類であるきのこと植物では、栄養の摂り方が全く違うのです。

植物は水と二酸化炭素を吸収し、緑色の葉っぱに太陽光を当てることで光合成を行って栄養分を作ります。

そして、その副産物として酸素を生み出しています。

 

光合成とは

 

余談ですが、偉大なきのこの写真家で糞土師の伊沢 正名さんは、『酸素は植物のウンコである』と言っていました。

水や二酸化炭素が食事に当たるわけなので、正にその通りですね!

(この先にものすごく深い話があるのですが、それはまた別の機会に紹介することにします)

 

きのこは分解者

一方、葉緑素を持たないきのこは、枯れ葉や倒木、堆肥、虫の死骸などを分解することで栄養を得て生きています。

そのため、きのこは『分解者』とも呼ばれています。

きのこの種類によって分解するものは異なり、広葉樹専門の方、落ち葉専門の方、松の木専門の方など様々。

きのこの種類を見分ける際に、『何から生えているか』がヒントになるのもこのためです。

 

きのこは分解者(栄養成長)

 

きのこの分解作業は食事でもあり、もちろんきのこ自身の成長に必要なものです。

しかし、私たちの世界にとっても無くてはならないものでもあります。

例えば、植物の主要成分であるリグニンは、きのこにしか最後まで分解することが出来ません。

つまり、きのこがいなければ、あっというまに世界は植物の死骸で埋もれてしまっていたでしょう。

きのこは森の掃除屋でもあるのです。

 

おなじみの椎茸も広葉樹を分解するきのこ。

原木栽培

椎茸

 

関東きのこの会のロゴマークのモチーフになっているオチバタケは、その名の通り落ち葉を分解するきのこです。

オチバタケ

オチバタケ

 

虫を分解するきのこもいる

きのこが分解するものは木質だけではありません。

菌類を分解したり、虫を分解するきのこもいます。

・・・というと、何だから空恐ろしく聞こえますが、一部は人間に食べられたりもします。

冬虫夏草(とうちゅうかそう)って聞いたことがありませんか?

虫を分解するきのこの総称で、その中には滋養強壮にとても良いとされ、漢方やサプリメントなどに利用されているものもあります。

こちらはカメムシを宿主とするカメムシタケ(食不適)。

カメムシタケ

カメムシタケ

 

他にもクモに寄生するクモタケやアリに寄生するタイワンアリタケ、ハチタケ、ヤンマタケ、オサムシタケなど、様々な種類の冬虫夏草があります。

漢方に利用するのは、主にオオコウモリガの冬虫夏草です。

 

植物と共生する菌根菌(きんこんきん)という種類もいる

分解とは異なる方法で、栄養を得ているきのこ達もいます。

菌根菌(きんこんきん)という種類のきのこ達で、”菌根”という器官を作り植物の根とくっついて成長します。

そして、土中から集めた窒素やリンを菌根を通して植物に送り、代わりに、植物からは光合成で作り出した栄養をもらい、共生関係を築いて生活しているのです。

菌根菌と植物の関係

 

実は、森に生える木々のほとんどは地中で菌根と繋がっているそう。

木々が元気に育つのも、もしかしたらきのこのおかげかもしれないと思うと、なんだか不思議ですね。

ちなみに菌根菌のきのこは人工栽培が難しく、あの高価なマツタケやポルチーニもこのグループの仲間です。

松茸
和製ポルチーニことヤマドリタケモドキ
左:マツタケ 右:和製ポルチーニことヤマドリタケモドキ

 

クイズ:きのこって世界にどのくらいあるの?

さて、きのこに詳しくなったついでに、最後に『きのこクイズ』に挑戦していってもらいましょう!

クイズ:世界には何種類のきのこがあるのでしょうか?

ヒント:日本で販売されているきのこの種類を数えてみたら、約40~50種でした。

 

答えはこの写真の下です↓

ホーシェングさん

 

答え:20,000種くらい(と言われています)

 

すみません、全くヒントになっていないですね(笑)

ちなみに、日本に生えているきのこは約5,000種、そのうち種名がわかっているのは約1,800種、食用は約700種と言われています。

『くらい』とか『言われています』をやたらと多用するのは、未確認のきのこがたくさんありすぎて、正確なところは誰も分からないから。

まだまだ名前も付いていないきのこが沢山あるのです。

もしも第一発見者になれたら、名前を付けられるかも!

きのこには、こういうロマンもあるのです。

 

日本人はきのこ好きの人種と言われていて、多品種のきのこを栽培しています。

栽培きのこがこんなに多種類店頭に並んでいる国は他に無いそう。

それでも、20,000種中の40種類。

そう考えると、これからもまだまだ新しい栽培きのこが出てきそうに思いませんか?

私もきのこのいちファンとして、これからどんな新しいきのこに出会えるのか、とても楽しみです!

 

まとめ

  • きのこは菌類
  • 肉眼で見えるサイズの子実体を形成する菌類を特に『きのこ』と呼ぶ 
  • きのこは森の分解者
  • 世界には約20,000種類のきのこが存在する

 

イラストレーター紹介:コイケハルカさん

この記事のイラストは、コイケハルカさんに描いていただきました。

コイケさんはきのこを食べるのも、見るのも、グッズを収集するのも好きな『きのこ女子』。

休日は一人できのこ狩りに行く本格派で、露木も何度かきのこ狩りに同行させていただいています。

そんなコイケさんが描いたイラストだから、どれもきのこ愛が溢れてます!